2 教習所での奮闘記 路上講習編
4月8日(火):初めての路上!いざ出陣
いよいよ路上教習スタート。全部で12時間、教習日はほぼ2時間づつの予定。
初っ端からとんでもない展開。なんと教習所を出てすぐ、いきなり踏切を横断し、そのまま国道1号線へ突入!
私:「えっ、ここ通るんですか!?」
教官:「そう、慣れておいた方がいいからね〜」
いやいや、心の準備ってものがあるでしょ!?踏切を超える際、左右確認してアクセルを踏み込む。ガタン!と車体が揺れた瞬間、後方からクラクションが聞こえた気がして心臓が2回転。大型トラックで踏切越えとか、初回で経験させるもんじゃない。
そして国道1号線。交通量もスピードも桁違い。教官は「流れに乗ることより、自分のペースを崩さないことが大事だよ」と言うが、後ろに乗用車がズラリと並ぶとプレッシャーがすごい。信号待ちで深呼吸、交差点では無言で念仏を唱えるレベル。教習後は「あれ?今日、腕立てでもしたっけ?」と思うほど前腕がパンパンだった。
4月9日(水):市街地デビューとバスとの遭遇
本日は市街地中心のルート。バス、自転車、歩行者、タクシー、そして謎の飛び出しキッズたちが次々に現れる。まさに“交通戦国時代”。
バス通りで、後方から大型バスが迫ってきたときのプレッシャーたるや。
教官:「あれはプロだから気にしなくていいよ〜」
いや、無理でしょ。ミラーに映るバスのフロントガラス越しに、運転手さんの表情まで分かる近さ。思わず左に寄って先に行ってもらう。
「プロには敵わん」と悟った一日。
4月10日(木):幹線道路でアクセルと心拍がリンク
信号の多い幹線道路で、加速・減速・停止の繰り返し。クラッチとブレーキの連携に苦戦し、教官の「もっとスムーズに〜」の声が頭に残響する。
合流地点では一瞬の判断ミスが命取り。
教官:「あそこで譲っちゃダメ、今度は攻めて!」
“攻めの大型”って何だ。サッカーじゃないんだから……と内心ツッコミつつも、がんばって車線に滑り込む。
夜は教本を開きながら、「アクセルの踏み方が人生にも通じるな…」と謎の悟りを得た。
4月11日(金):ハンドルの重さと心の重さ
この日は特に交通量の多い区間を走行。右左折のたびにサイドミラーと歩行者を同時にチェック。
教官:「はい、左折前の巻き込み確認〜」
毎回言われて分かってるはずなのに、なぜかタイミングがズレる。
そして何より、ハンドルが重い。パワステ付きとはいえ、乗用車とは感覚が違う。終わったあとは、握力がごっそり持っていかれた。
晩ご飯の箸すら持つのがしんどかった。
4月14日(月):競輪場の罠①
この日から“魔の競輪場ルート”に突入。
教官:「ここ、信号無視で渡ってくる歩行者が多いから要注意」
まさか〜と思っていた矢先、信号が青になって発進しようとした瞬間、横からスーッとおばあちゃんが出現。反射的にブレーキを踏み、寸前で停止。
教官:「はい、今のナイス判断!」
……仕組まれてるんじゃないか?と思うほど、絶妙なタイミングだった。
4月15日(火):競輪場の罠②
再び競輪場ルート。この日は信号無視おじいちゃんが登場。
前方の信号が青になった瞬間、突然、斜め横断を始めた。
教官:「今日も出たね〜仕込み感満載の歩行者!」
さらに対向右折車が突っ込んできて、まさにカオス。
知り合いが卒業検定でこの状況に遭遇し、交差点で立ち往生。そのまま検定中止で不合格になったという話を思い出し、背筋がゾッとした。
4月16日(水):胃カメラと仕込み歩行者のダブルパンチ
午前中は会社の健康診断。しかも、毎年恒例の胃カメラ!
看護師:「リラックスして〜」
無理です。喉に異物感、涙目、変な咳。終わったあとは魂が抜けたような状態。
午後の教習、教官が一言。
教官:「今日、顔色悪いね?大丈夫?」
私:「胃カメラで半分昇天してきました」
爆笑されつつも教習スタート。集中力が心配だったが、意外と冷静に運転できた。
……が、またもや現れた信号無視の歩行者。しかも今回は二人組。胃カメラダメージと歩行者サプライズのダブルパンチにフラつきながらも、なんとか見極め合格。
教官:「これで卒検いけるね。胃も強くなったし」
ともあれ、これで路上講習の12時間が終了。残こるは来週火曜日の卒業検定だけになった。
こうして、おじさんの教習生活もいよいよ最終章・卒業検定へと進むのであった。
4月22日(火):運命の卒業検定!
ついにやってきた卒業検定の日。朝9時に集合すると、教習所には独特の緊張感が漂っていた。受験者は全体で約30数名、そのうち大型免許受験者は6名。同年代の人もいれば、若い20代後半の人も混じり、皆がそれぞれの思いを胸にこの日を迎えていた。
検定開始前、教官からの注意事項説明を受ける。
教官:「今日の検定は、今までやってきたことをそのまま出せば大丈夫。落ち着いてな」
分かっていても緊張はする。なぜかトイレが近くなり、検定直前に2回も駆け込む羽目に。いよいよ自分の番がきて、大型トラックに乗り込む。
出発から順調。魔の競輪場ルートも通ったが、今日は信号無視の歩行者もいなければ、無理な右折車もいない。まるで空気を読んだかのような平和な交通環境。
教官(検定員):「はい、いい判断でした。そのまま続けて」
心の中でガッツポーズを決めつつ、慎重かつスムーズに運転を続ける。全工程を終えて戻ると、他の受験者も続々と帰還。待合室に全員がそろい、しばしの沈黙。
そして運命の瞬間——
教官:「それでは、卒業検定の結果を電光掲示板に表示します」
全員の視線が一点に集中。名前の横に「合格」の文字がずらりと並ぶ。なんと、今回の卒業検定、普通・中型・大型・二輪を含めて全員合格!教習所内が静かに沸いた。
続いて、教官から卒業証書の配布と今後の手続きについての説明。
教官:「みなさん、よく頑張りました。ここからが本当のスタートです。事故を起こさない運転、思いやりのある運転を心がけてください」
まさに“運転者の心構え”を説く最後の講話。教習生ではなく、これからのドライバーとしての意識を改めて引き締められる瞬間だった。
最後に卒業証書を手渡され、ひとりずつ握手とねぎらいの言葉をもらい、感慨もひとしお。
が、ここで新たな問題が。
免許証の書き換えは当日の13時10分から運転免許試験場で受付スタート。しかし、検定が終わったのは12時半過ぎ。
間に合うわけがない!
同じく間に合わなかった数人とともに、「これはもう、日を改めるしかないですね」と笑いながら帰路に就く。教官も苦笑いしながら一言。
教官:「まあ、それも思い出になるさ」
4月23日:免許センターでゴールド免許!
翌日、運転免許試験場にて免許の書き換え手続き。無事に“ゴールド”の文字が光る新しい大型免許証を手にした。
教習所で顔を見知ったメンバーとは一人も会わず、やや拍子抜け。それでも、感慨深く免許証を見つめ、「ついにここまで来たか…」としみじみ。
こうして、おじさんの大型免許への挑戦は、会社の支援と自身の努力の二本柱で、無事フィナーレを迎えたのであった。
※奮闘記の内容は実際の出来事に基づいていますが多少のアレンジを加えてフィクション要素が含まれています。
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