のりめん工事ってなに?|法面工事の紹介

 当社は創業こそ吊橋やケーブルクレーンの架設が本業でしたが、そこから派生していった法面工事を長らく事業の柱としていました。この、法面(のりめん)という言葉、建設業に携わる方は普段から聞いていますが一般の方にはなじみがないですね。全く聞いたことがない方もいるかもしれません。そもそも、法面(のりめん)とは何でしょうか。


【法面 のりめん】

 切土や盛土によって作られる人工的な斜面のこと。道路建設や宅地造成などのに伴う、地山掘削、盛土によって形成される。『Wikipediaより』 ようするに工事で作られる斜面のことですね。盛土で成形された斜面はもとより自然災害で崩壊した崖も復旧工事で人工的に手を加えますから法面になります。一般的には手を加える前から法面と言いますけどね。ちなみに、法面の一番上を法肩、一番下を法尻と言います。


【法面工事】

 法面工事にはどのようなものがあるでしょうか。日本の国土の大半が山間地が締めており、山間部や高低差がある場所では必ず法面が発生し近年話題の線状降水帯、台風による大雨や地震などによる土砂災害を防止するために法面を補強する必要があります。補強をするために何種類かの法面工事があり、大きく分けると「抑止工」 「抑制工」 「落石防護工」の3種類があります。また関連して地すべりを防止する排水工などの工法も多くあります。法面工事の代表的なものをいくつか紹介していきます。

 多くの工事は法面工(我々は法面屋さんと言ってます)といった職人が親綱と呼ばれるロープにぶら下がってロッククライミングのように仕事をします。


【植生工】

 法面保護工の一種で法面の浸食や風化緩和を目的として、植物を法面上に育成する工法で、植物その物の根による保持力で法面を保護します。しかし、環境や景観の保全は行うことができるますが、構造的な破壊の防止効果は期待できません。

 植生工には水に種子や養生材、肥料を混合して撹拌させて散布する「種子散布工」、不織布に種子や肥料が貼付けされたシートやマットを釘やアンカーピンなどで固定して敷設する「植生シート工、植生マット工」、人工土壌に種子、肥料、接合材を混合してエアーの力で吹き固める「植生基材吹付工、客土吹付工」、育成した芝生を目串で貼り付けていく「張芝工」などがあります。

植生基材吹付工 基盤材と呼ばれる人工土壌をエアー圧で吹き付けます


【モルタル・コンクリート吹付工】

 これも法面保護工の一種で法面にモルタルやコンクリートを5cm~15cmの厚さで吹付けます。吹付工の基台としてラス金網と呼ばれる金網をアンカーピンで法面に固定します。山間部の道路で最も目にする一般的な工法です。仮設で地山を掘削するときに崩壊防止で吹付けることもあります。吹付は上の植生基材の吹付と同じで「ガン」と呼ばれる吹付機とコンプレッサーを使用して施工します。材料の搬送距離や高低差が増える毎に経験と技術が必要となります。

モルタル吹付工 モルタルをエアー圧で吹き固めます


【ブロック張工・石積工】

 概ね法面勾配が1割より急な場合はブッロク積、1割より緩い場合はブロック張、玉石を使う場合は石積、石張りとなります。一般的に河川堤防や貯水池などの盛土法面で施工され、植生工より河川水による浸食や浸透に強く丈夫です。また、コンクリートを張る工法もあります。

ブロック張工 各メーカーから多くの製品が発売されています

【法枠工】

 生コンを型枠を組んで打設する現場打法枠工や出来合いの製品を組み立てるプレキャスト法枠工とモルタルを吹付る現場吹付法枠工があります。現場打法枠工やプレキャスト法枠工は法面を整形して直線的な面に仕上げなければ施工できない反面、現場吹付法枠工はどのような法面にも対応でき、また、足場等が必要でないため短期間で施工することができます。枠内には玉石を張ったり、モルタル吹付や植生工を施工します。

吹付法枠工 格子状に鉄筋を組立てその上からモルタルで吹固めます

写真の法枠には交点にロックボルトが施工されています


【ロックボルト工、アンカー工】

 ロータリーパーカションと呼ばれる削孔機で数m~数十m削孔し、補強材やアンカー材を定着させて斜面を安定させます。ボルト材に緊張力も持たないロックボルト工とアンカー材に高い緊張力を持たせるアンカー工があり目的や地質により使い分けます。削孔方法は大きく単管堀と二重管堀があり地山の土質により使い分けますが、アンカー工はより高い品質をもとめられますので二重管削孔で施工し、アンカー材も腐食に強い材質を使用します。

ロックボルト工 足場を組んでスキッド式の削孔機で施工しているところ

ロックボルト工 レッカーで削孔機を吊下て施工しているところ


【フェンス工】

 支柱と金網、ワイヤーロープで落石を防ぎ。通行車両や歩行者、住宅等を守ります。一般的によく目にするタイプのフェンスは吸収できる落石エネルギーは小さいですが、高エネルギーを吸収できるタイプのフェンスもあります。


【落石防護網工】

 大きく防護網と予防網があります。落石防護網は金網とワイヤーロープによって法面上から落ちてきた落石を受け止め、通行車両や歩行者を守ります。ネット上部は支柱により開口部となっており高所で発生した落石にも対応します。一般的なP式ネットからより大きな落石を受け止める高エネルギー吸収ネッまで多くの工法があります。落石予防網は転石等で不安定な法面にワイヤーロープを格子状に組み点在する浮石等を押さえ込みます。工法によってはワイヤーロープと合わせてネットで法面を覆い、土砂部の浸食等も予防します。

P式ロックネット工 レッカーを使って金網を設置しているところ


【 求人募集中  静岡の自然の中で一緒に働きませんか 】

ミツヨシ工業は法面工事の匠として静岡で創業 最近はICTなどの先端技術にもチャレンジしてスマートな土木工事の未来を目指していきます。私たちと一緒に汗を流して働いてくれる仲間を求人募集しています。未経験の方でもワクワク、楽しく働いていけますよ!